« 小さくても輝く自治体フォーラムに参加して | トップページ | 参議院選挙結果に思う »

2007.07.23

広島黒田投手の百勝を祝う

 7月14日の夜、広島の黒田投手が巨人を相手に完投勝ちをして、通算100勝に到達した。
 この14日の夜は、台風4号が長野県南部に接近、15日朝までに235ミリという豪雨により、道路を中心に大きな被害を受けた。その夜の試合。我が家も、黒田投手の喜びのインタビューのとき、後ろのほうでガシャーンという音がした。私は、気がつかなかったが、家内が、家の後ろが崩壊した、といって騒ぎ出した。みれば、後ろの畑の土手が我が家に押し寄せて、大変なことになっていたが、雨の中、緊急にシートなど張って、二次災害を防ぐだけの手当てをして一夜を過ごした。これは、我が家の出来事で、建設業者を頼んで、土砂を出し、ようやく落ち着いたところ。その晩、黒田の100勝なので、永遠に忘れないかもしれない。
 日本を代表するエースが、フリーエイジェントの権利を獲得。あれだけの投手なので、どこへでもいくチャンスがあった。いままでのプロ球界の動きでは、まず巨人が獲得に動くであろうと推測できた。それも選手の権利だから、仕方ないと思う。ところがである。黒田は、広島に残るといったのである。これは、すでに書いたが、大変な決断である。昔は、こういうことはよくあったのではないだろうか。義理と人情が優先する社会、お世話になったこの人を見捨てるわけにはいかない。負けるとわかっていても、この勝負あなたの味方をしなければ、俺の気持ちが許さない。歴史を知らないが、真田幸村もそうだったのかもしれない。
 池波正太郎が好きで、読書をしない私にしてはよく読んだが、必殺仕事人、小遣い銭しか持たない子供が「お母さんの仇を討ってください」とお地蔵さんのもとに、その小銭を置いていく。どうするか、こんなお金にならない仕事を。テレビでは、藤田まことが眉間にしわを寄せ「どうする?」。でもみんな黙って、その小銭をとって、出かけていく。お金じゃない、許せない悪党を抹殺するこの心意気に打たれる。
 黒田が、広島というお金もないチームのエースとして孤軍奮闘している。黒田でまければ、連敗が続くようなチームである。しかし、他のチームへ移って、広島を相手に投げている自分を想像できないという。自分を育ててくれたチームに恩義もあり、愛着もあるのだろう。あれだけの投手がやっと100勝である。強いチームなら、もう20~30勝上乗せしているだろう。そして200勝もあっという間かもしれない。広島にいれば、200勝できないかもしれない。それでも「残る」という黒田の心意気に感動する。日本人ってそうだったじゃない、といいたい。
 学校でも、ディベートなどと議論を戦わせ、どっちが勝った負けたとやっているという。自治体も訴訟が増え、これからは法律の専門家が必要などという。それもアメリカ型日本になる以上必要かもしれないが、日本人の心がなくなっていくのではないだろうか。裁判で勝ちさえすればそれでいいのであろうか。それが解決なのだろうか。
 泰阜村でも、お金のある人、たまに役場職員も、利便性の高い隣の市へ出て行く。個人の自由をとやかくいえるわけではない。しかし、この村に生まれ、この村に育って、山の中といわれようが、不便といわれようが、この村で生きていく覚悟をもった人間もいる。私は、そんな村民に頭が下がる。
 日本経済新聞「私の履歴書」で、いま長島茂雄氏が書いている。国鉄金田投手は、巨人を相手に投げ、でも最後に一度巨人のようなこれだけの選手をバックで投げてみたい、といったそうだ。そして、巨人に移籍した。これも人生。黒田も次のチャンスには、移籍するかもしれない。でも、それにより、今回の選択の評価がさがることはない。一番活躍できるこのときに、広島に残ったことに勝ちがある。
 最近、こういういい話が少ない。心あっての人間社会であり、義理と人情がからまってこそ、いい人生といえるのではないだろうか。何もない山村にいきる一人として、黒田に勇気を与えられている。

03:01 午後 | 固定リンク

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/21398/15854318

この記事へのトラックバック一覧です: 広島黒田投手の百勝を祝う:

» 松本ですいか祭り from 南部 ブログ
季節ですね。夏の暑い日に冷えたすいか。 本当に美味しいです。 お祭りの重量当てクイズ楽しそうです。 続きを読む

受信: 2007/07/24 12:28:55

コメント

コメントを書く