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2006.11.08

ふたたびプロ野球の話を

 広島の黒田投手が、広島に残留するという結論を出した。その発表を聞いて、思わず拍手、そしてなんとも清々しい気持ちになった。FA(フリーエイジェント)制度が悪いと思っているわけではない。実力の世界で、若い一瞬しか活躍できない選手生命、自らの力をほんとうに発揮し、それを正当に評価してくれる場所で、働きたいと思うのは当然ともいえる。その評価が、お金であってもいいし、レギュラーの座であってもいい。
 ただ、私は、FA制度ができる前もそんなことがあったが、制度以後、お金のある球団が、財力によって選手を集める現実に、やはりお金か、という思いを持っていた。
 だからこそ、一人ぐらい力のある選手が、FA宣言しようが、しまいが、この球団のために、最後までがんばります、という人がいたらいいのに、と思ってきた。日本という国は、義理と人情が大事にされ、私も「人生意気に感ず」という言葉が大好き。自分のために、も大切。しかし、誰かのために一肌脱ぐ、という心意気こそ、日本人の魂ではなかったのか、と思う。
 黒田が、大金を積まれて、東京の某球団へ行ったとしても、それでいいんだが、私の心の中では、黒田もか、となっていただろう。しかし、黒田は、広島残留を決めた。黒田自身の言葉を借りれば、ファンの声を聞いて、となるのだが、それも重要であったと思う。それより、何より、育ててくれた広島に恩義も感じていたのではないだろうか。これを、男気というのであろう。この時代に、これこそすばらしい選択だ。心から拍手を送りたい。
 広島球団は、赤ヘル軍団当時は、強かった。でも、昔もいまも弱い。お金もないであろう。広島ががんばる姿は、山村ががんばる姿と重なる(広島県の皆さんも選手も、泰阜と同じでは失礼と怒るであろうが)。泰阜村役場の職員も、お金じゃなく、この村のために、一肌も二肌も脱ごうと思って働いていてほしい、と願っているのだが、さてどうだろうか。公務員にもFAを、といった方がいるが、これも面白いと思う。自分の自治体を選ぶのだろうか、高く買ってくれるところを選択するのだろうか。
 村田英雄の人生劇場の歌詞に「俺も生きたや仁吉のように、義理と人情のこの世界」がある。これが日本じゃなかったのか、と思う私は、古い奴なんでしょうか。
 黒田の発表の次の日、泰阜村役場の朝礼での村長あいさつは、黒田に拍手、であった。

04:46 午後 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック